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​ミレーナ

 ミレーナとは、黄体ホルモンを5年間放出するT字型をした子宮内用具で、子宮内システム(IUS: Intrauterine System)と言われています。低用量経口避妊薬(OC)の避妊効果と、子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能であるという特徴があります。くわえて、過多月経や月経困難症の治療薬として国内外のガイドラインですすめられています。低用量ピルとは異なり、毎日できるだけ一定の時間に薬を飲まないといけないということがありません。ピルが使用できない方にも使うことができます。

 現在では世界約130カ国で、延べ約3,900万人の女性が使用しています。

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​避妊のメカニズム

 ミレーナから放出される黄体ホルモン(レボノルゲストレル)は、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、10人中3人の方が無月経になります。排卵はしており、受精もしますが、内膜が薄くなるため子宮に受精卵が着床しなくなります。また、子宮入り口の粘液を変化させ、精子が子宮内へ侵入することを防いだりもします。もし後に、妊娠を望まれるようになった場合は、容易に抜去できます。

※ミレーナ52mgを避妊のために使用する場合には、保険は適用されません

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​過多月経や月経困難症を改善するメカニズム

 ミレーナから放出される黄体ホルモン(レボノルゲストレル)は、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、月経量を減少させるとともに月経痛を軽くします。

 ※過多月経、月経困難症では健康保険の適応となり、お薬代は3割負担ですので、5年間で約1万円となります

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​適した方 経膣分娩を経験された方が適しています

・月経痛がつらい方      

・月経の痛みが増している方

・月経量が増えてきた方

・月経前に体調不良がある方(PMS:月経前症候群)

・避妊したい方

・ピルが服用できない方(ピルが副作用で服用できない方、30代後半から40歳以上の血栓症のリスクがある方、

 BMI30以上の方、喫煙者、高血圧症の方など)

​適さない方

・ミレーナの成分に対する過敏症がある

・ミレーナの成分が体質に合わない

・妊娠中もしくは妊娠の可能性がある

・月経時期以外に異常な不正出血がある

・性感染症にかかっている

・子宮内膜炎、卵管炎などを患っている

・過去3ヵ月以内に性感染症にかかった

・重い肝障害または肝腫瘍がある

・腟炎または子宮頸管炎にかかっている

・骨盤内炎症性疾患(PID)にかかっている

・繰り返しPIDを発症している

・子宮外妊娠(異所性妊娠)を経験した

・過去3ヵ月以内に感染性流産または分娩後子宮内膜炎を経験した

・がんや黄体ホルモン依存症腫瘍を患っている、またはその可能性がある

・医師に子宮の位置や形に異常があると言われた(子宮腔の変形など、生まれつきの異常または子宮筋腫などを含む)

・ミレーナを挿入する際や、子宮頸管を拡張する際に強い痛みを感じたことがある、または脈が遅くなったことがある

​費用について

 低用量ピルの場合、5年間で15万円程度かかりますが、ミレーナでは、保険適応がある場合3割負担で約1万円、自費でも約6万程度です。ピルと異なり、毎日できるだけ一定の時間に薬を飲まないといけないということがなくなります。

 避妊目的やPMSのみの場合は、保険適用にならないため、自費診療になります。

​ミレーナ挿入についての注意点

◎ミレーナの挿入は月経第4日から第7日までの月経中に行います。

◎ミレーナの挿入前には検査が必要ですので、当日に挿入はできません。

・子宮頸がん検査、膣分泌物培養検査2種類、超音波検査を行います。

・月経開始後、月経第4日から第7日ごろまでの月経中に子宮体癌の検査も行います。

◎検査がすべて問題なく、ミレーナ挿入の適応があると判断した場合に、次の月経4~7日目までの月経中に行います。

◎検査などで異常がある場合は治療を行ってからの挿入となります。

 

以上より、来院から2回目の月経中ごろに挿入しますので、ご希望されてから3回以上の受診は必要となります。

なお挿入後は(1週間後)、1ヶ月後または3ヶ月後、6ヶ月後に受診が必要で、その後は6ヶ月毎に受診して頂いています。

ミレーナを適切に使用していただくために、ミレーナの位置や出血の状況、効果などを確認する 定期検診はとても重要です。 医師の指示に従い、必ず検診を受けてください。装着後5年を超えないうちに交換・除去する必要がありますので、4年目・5年目の定期検診の際に、交換・除去のタイミングについて相談しましょう。

 

ミレーナを装着後数日間は出血、下腹部痛、腰痛、おりものなどの症状があらわれることがあります。 症状が長く続くときやひどい場合は受診してください。また、異常な痛みや出血があった場合は直ちに受診してください。

​ミレーナ挿入後の副作用について

 ミレーナを装着して最初の2~3か月程度は不正性器出血が続くことがしばしばあります。茶色で少量のことが多く、おりものシートで対応できる場合が多いです。時に、少量の赤い出血が続くこともあります。もしも、通常の月経のように塊も混じって続くときはミレーナがずれているかもしれませんので受診してください。およそ6%(17人に1人)に起こります。万一、入れなおさないといけない場合も2回目までは保険適応となります。

 ミレーナの主な副作用として、月経出血日数の延長、月経時期以外の出血、月経周期の変化、腹痛、卵巣のう胞(一時的なものが多い)などがおこる場合があります。

 また、重大な副作用として、子宮や卵管など、骨盤内に炎症がおこる骨盤炎症性疾患や、異所性妊娠(子宮外妊娠)、子宮穿孔(ミレーナが子宮の壁に入り込む)などの可能性もあります。高熱や下腹痛、出血などの異常を感じたら速やかに当院にご連絡ください。

​ミレーナ挿入後の注意事項

◎5年以内の交換が必要

ミレーナは一度装着すると最長5年間、効果が持続します。使用期限が近づくと、効果が低下する可能性がありますので、5年を超えないうちに新しいものに交換することが必要です。

◎性病は予防できない

HIV感染症(エイズ)やクラミジア、淋病、梅毒などの「性感染症(性病)」を予防する効果はミレーナにはありません。そのため、性感染症の予防にはコンドームの使用が必要になります。

◎妊娠の可能性がある場合は速やかに受診を

可能性は非常に低いですが、ミレーナを装着中に妊娠することがあります。前回の月経から6週間以内に月経が来ない場合や、吐き気、嘔吐、食欲不振、眠気が強いなどの妊娠の兆候がある場合には、速やかに当院にご相談ください。妊娠していた場合、ミレーナを取り出す必要があります。

 

◎子宮口の糸は引っ張らない

ミレーナを交換する際に用いる糸が子宮口にありますが、決して引っ張らないでください。引っ張ると位置がずれたり、脱出の原因になることがあります。